*************************************************************** AGC,Sメ−タ−に関して          CYTEC *************************************************************** 受信機を使う上で、AGCの効きが大きなポイントに成ります。 それは、大きな信号が入ってきたとき、音が歪まずに聞こえるかという 事です。つまり素早いAGCの立ち上がり、が求められます。 そのため、AGCル−プ内にアンプを置き、十分なAGC制御信号を得る ように成っています。 ところが、SSB機にはBFOというIF周波数に近い周波数の発振回路 が有ります。そのため、このBFOの信号が、AGCル−プに入り込みま すとAGCル−プ内で増幅されて、無信号時でもAGC回路が働いてしまう と言うトラブルが起きます。 また、Sメ−タ−は、普通このAGC回路の制御信号を利用しているため 無信号時にメ−タ−が振れるという事に成ります。 メ−タ−が振れないぐらい、AGCル−プのゲインを落としますと、AGC 効き方が悪くなり、結果としてSメ−タ−のふれ方も悪くなります。 このAGC回路と、BFO周波数の回り込みは相反するところがあり この兼ね合いが、難しいところとなります。 ●BFO信号はどこから回り込むか。 これは、次の2系統が考えられます。 (1)同一基板上にBFOが有る場合、BFO回路の微弱な輻射を、フィルタ−    部がアンテナとして受信し、IFアンプが増幅してその信号が,AGC    回路へ回り込む。 (2)リング検波回路にBFO信号を入力しますが、検波回路では信号に    対して平衡を取る事をしていないので、IFTを通してAGCアンプ    へ回り込む。 ●AG15では、どのように回避しているか。 上記(1)、および(2)どちらか一つに対して対策するようにしました。 対策法としては、単にIFTコイルのコア−を回して離調させてゲインを調整する 方法をとりました。 (1)のル−トに対しての対処方法は、以前公開しました。 それは、初段のIFアンプのコイルのコア−を回して、Sメ−タ−が振れるか振れないか の状態になる様にコア−位置をずらすことでした。 しかしこの方法ですと、IFアンプのゲインが落ちてしまいます。 (実際には、ゲインが落ちても十分使用できるレベルは、確保出来ています。) (2)の場合は、AGCアンプのコイル(T4)のコア−を回して、無信号時 Sメ−タ−がふれるかふれないかの所に、コア−位置を合わせます。 このとき、AGC設定電圧を確認して、6V程度に成るようにします。 AGCの設定電圧は、6V以上ですとIFアンプのゲインが上がりますが、 Sメ−タ−がふれにくくなります。 そこで、実際にQSOなりを受信して、AGC設定用VRを少し回してみると、 Sメ−タ−の振れが良いところが見つかります。そのときの電圧は、6Vか もしくは多少下回った値に成るはずです。 以上の、調整作業を繰り返して、ちょうど良い調整箇所を探して下さい。 受信部の調整は、一回だけではなく実際のQSOを受信しながら、複数回 行って下さい。それにより調整する人が、どこをどうしたら、どのように成るかが 分かるようになり、ベストの状態に持って行けます。